[著者] MICCA
私は好きだと思っていた男に抱かれていた。けれど、吐き気がして部屋を出てそのまま独りで酒を飲む。隣にいた無骨な男が笑いかける。
泥のような酔いと寂しさで肌を重ねる。遊べると考えていた自分は何処かに消え失せて彼を自分を探し始める。
彼の名前を知り、聞かされた会社へ行き彼と会おうとする度に彼はいなくなる。
理解しようとする程に遠くなる人間や意味のそれぞれに私は苦しみ始める。
彼との出来事を通じて私は説明する事や、説明出来る事の意味の無さを感じていく。
そして言葉にする事をやめるごとに自由が増えて、他人に求める事をしなくなる度に私は自分の中心に向かっていく。
自分を受け入れていく物語。
定価:110円(本体100円+税10%)