[著者] らんふぁん
歌舞伎の女形のように美しい馨《かおる》と、色町あがりの妖艶な大店の女将・お琴。馨の美しさに魅せられたお琴は彼をどん欲に求め、馨はお琴に誘惑されながらも、主である龍之介への想いを募らせていく。
そんなある日、馨は因果な恋から逃れようと旅にでる。それを知ったお琴は必死に後を追うが、馨はふと身を寄せた山寺で野生児のような平助に出会い……
瑠璃色の七宝細工の蜉蝣《かげろう》が馨たちの心を弄ぶかのように、前世から継いだ因縁の恋の炎を再び燃え上がらせるのだった。
定価:165円(本体150円+税10%)