[著者] 藤原りん
時は戦国の幕開け。
盟友に夫を殺された妻は加々美の里に迷い、そこで額に角を持つ赤子を産む。
加々美の庄の祭司である志乃武は、赤子を「桂」と名づけ、愛情を込めて守り育てる。
額に角、山紅葉の髪と、加々美湖の色と同じ翡翠の目を持った桂は、いつしか心優しい、里一番の美形に成長する。しかし吹雪が続き、人死にが出る中で里人は桂を『生贄』に捧げようとする。
志乃武は、異形を厭わず桂に惹かれていた『男住』に、彼を託す。
愛する二人の男の間で、桂の心は揺れ乱れる。そして、桂が最後に決断したことは……。
◆『若紫』は、幼い日の桂と志乃武の愛の短編物語です。
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