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人生には“がんばらない”時があっていい——パパ死なないで(2)

人生には“がんばらない”時があっていい——パパ死なないで(2) 表紙イメージ

[著者] 風樹茂

あなたの恋人や夫は大丈夫だろうか?
 以前よりも、食欲がない、愚痴をいう、塞ぎこんでいる、自信を失い自己卑下する、寝つかれないくせにごろごろしている——そんなときはうつ病を疑ったほうがいい。
誰もがうつ病になる時代である。原因は長時間労働、業績不振、イジメ…
 実際、うつ病患者はここ6年で2倍(92万人)に激増している。もしもあなたの夫や恋人がうつ病になったならば、彼を見捨てるか?
 救うか?
 あなたならどうする?
【あらすじ】
本編の主人公宮原隼人(40)は、レストランのオーナー兼料理人。おしゃれな繁華街の中にある創作料理の店「キュイズィーヌ」が成功。
銀行から1500万円を借りて中野に居酒屋とバーを新規につくる。妻の由紀は業務拡大に疑問を呈するが、隼人は強気だ。
けれども、開店してみると、客は来ない。雇ったバイトは焼き鳥も焼けない、基本のカクテルさえ作れない。
だから、スタッフ教育、仕込み、料理作り、ドリンク作り、接客、経理…
 すべて自分でやらなければならない。
新たな店2軒と「キュイズィーヌ」の3店舗をひとりで切り回すのだ。1日20時間労働!
 そのうち順調だった「キュイズィーヌ」のほうも、客足が途絶え始める。赤字が嵩む。心労が重なる。がんばろう!
 がんばらなくては!そう自らに言い聞かせ、朝9時から翌朝5時まで働き続ける。
けれども一月たっても客の数は増えず、経営改善の見込みはない。身も心もくたくたで、食事も喉を通らない。心配で心配で眠ることもできない。
経営者として見込みが甘かったのだ。あっという間に隼人はうつ病に陥り、家にこもり酒浸りの日々をおくり始める。赤字だけが積み重なる日々。
一方、妻の由紀は、早朝から朝ご飯を作り、娘の恵を保育園に連れて行き、パートに出かけ、その後、介護学校の授業に出た後、保育園から娘を引き取り家に戻る。そして夕飯を作り、娘の面倒をみる。娘を寝かしつけると、介護士の資格をとるための勉強をし、夜遅くに布団に入る。
時々、うつ病の夫、隼人の様子をうかがう。
ふさぎこんで寝ているだけで、話しかけてもはっきりした返答がない。
が、強い言葉をかけるわけにもいかない。気疲れが募る。ついに、ある朝、隼人は公園で自殺を企てようとさえする……。

定価:330円(本体300円+税10%)