[著者] 栗本はるこ
一八九〇年、パリ。二人の音楽家が世間を賑わせていた。稀代の変人エリック・サティ。鬼才の若手クロード・アシル・ドビュッシー。かたや自由奔放だが奇行の目立つ男、かたや才能はあるが傲慢が定評の二人は、「音楽家」の肩書に隠れある活動に従事していた。聖杯の薔薇十字団に属す諜報員の一員で…
時はフランス孤立全盛期。ドイツ宰相の罷免を機に再び陽の目を期待する時代。だが、そんな折彼らはある情報を得る。ドイツが秘密裏に進めていた軍事開発。ビスマルクの失脚を機に、ついに皇帝が施設を動かす準備をしているという。幹部の指令は状況把握と施設の破壊――かくして無謀とも言える任務が幕を開けるのだが…
十九世紀ヨーロッパ舞台のアクション・ファンタジー。
★本文挿絵入り!
定価:440円(本体400円+税10%)