[著者] 天宮あきら/水綺鏡夜
恋する竜樹に相手にされず、落ち込んでいた昴は、幼馴染の聡二郎と飲みに出かけた。
「昴……」
「え?」
名前を呼ばれ、何気なく視線を上げると、顔を寄せていた聡二郎に顎をとられ、いきなり口づけられた。聡二郎のキスはソフトで優しい。どちらかというと、素っ気無いくらい無機質で冷たくも思えるが、その内面と同じく、どこか秘めた情熱を感じさせた。
「なに? どうしたのいきなり?」
「なにって、口説いてるんだろ」
「誰を? 俺を?」
「ああ」
定価:220円(本体200円+税10%)