[著者] たかさわりえ
国長の娘、クシナダの前に、二人の求婚者があらわれた。
オロチ神と呼ばれる川の神。そして、豪雨の中現れた、名のない男。
暗闇のなかで、執拗な愛撫を加えられながら、オロチ神に名を教えてしまうクシナダ。
名を教えることは、求婚に応えることだと、知っていたはずなのに。
そこへ、名のない男があらわれて、オロチ神を退治しようと持ちかける。
うまくいった暁には、クシナダが欲しいと言い出す男。
何か策があるようだが、クシナダは気が気でない。
神と人の対決の行方は!?
遠い昔の約束を果たすべきか、それとも孤独な人を抱きしめて慰めてやるべきか。
……神の愛し方と人の愛し方が、こうまで違うなんて、ちっとも知らなかった!
定価:330円(本体300円+税10%)